PROJECT STORY
海老せんべいに宿る、香川の美意識。
志満秀 × ブランドリニューアル
背景 ― 老舗の誇りと、時代のギャップ
香川県観音寺市に拠点を置く「志満秀(しまひで)」は、瀬戸内海の豊かな恵みを活かした海老菓子を作り続ける老舗菓子店です。 香川県の伝統工芸品にも認定されたその海老せんべいは、長年地元で愛され続けてきた逸品。 しかし、パッケージのデザインは昭和の雰囲気をそのまま引き継いでおり、贈り物や観光土産としての訴求力が課題になっていました。
「味には自信がある。でも、パッケージを見て手に取ってもらえないことがある。」
志満秀さんからのご相談は、まさにその一言から始まりました。
アプローチ ― 「伝統」を「現代」に翻訳する
FooDoo'sがまず取り組んだのは、「志満秀らしさ」の言語化でした。 長年愛されてきた理由は何か、お客さまはどんな場面でこの菓子を手に取るのか、贈り物として選ばれる理由は何か――。 ヒアリングを重ねる中で見えてきたのは、「海と太陽と職人の手仕事」という確固たる価値でした。
デザインの方向性として設定したのは、「和の美意識をベースにしながら、現代のライフスタイルに溶け込むシンプルさ」。 香川の穏やかな瀬戸内の海をイメージした色彩と、伝統工芸品としての品格を感じさせる構成で、 パッケージ全体をデザインしました。
デザインのポイント
- 瀬戸内の穏やかな海と光をイメージした、落ち着いた色彩設計
- 職人の手仕事を感じさせる手描き風のグラフィック要素
- 贈り物として映える「棚映え」を意識したレイアウト
- 伝統工芸品認定という誇りを、さりげなく、しかし確実に伝えるタイポグラフィ
- 外国人観光客にも伝わりやすい、英語サブタイトルの配置
結果 ― デザインが開く、新しい出会い
リニューアル後、土産物店やギフトショップでの視認性が大きく向上。 「パッケージが変わって、若いお客さんが手に取ってくれるようになった」という声もいただきました。 また、県内外のセレクトショップからも取り扱いの引き合いがあるなど、販路拡大の一助となっています。
このプロジェクトを通じて改めて感じたのは、「デザインは商品の価値を変えるのではなく、もともとある価値を正しく伝えるためのもの」だということ。 志満秀の海老せんべいに宿る職人の誇りを、より多くの人に届けられたことをうれしく思います。
PROJECT INFO
- クライアント:志満秀(香川県観音寺市)
- 制作内容:パッケージデザイン(伝統工芸品菓子)
- 制作年:2025年
- 担当:松田 泰典(FooDoo's)
